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カーテンの素材について
日本で売られているカーテンの素材はここ40年程の間に大幅に変化しました。
40年前のカーテンはレーヨンが主流でしたが今ではほとんどポリエステルとなりました。
理由は簡単。ポリエステルはクレームが少ないからです。
綿やレーヨンは天然の素材ですから伸び縮みをしますがポリエステルはプラスティックの為動きません。
日本人はサイズに関して非常に神経質です。
また、オーダーカーテンの販売方法が変化したからです。
住宅メーカーではインテリアコーディネーターがカーテンの提案を行うようになりました。
このインテリアコーディネーターの方々は極端にクレームを嫌います。
その為カーテンメーカーもクレームの少ないポリエステル製にシフトしてきました。
さてカーテンに使われる素材にはどのような物があるでしょう?
まずは繊維素材のことをあらためて勉強してみましょう。
繊維素材は大きく3種類に分類されます。
1.天然繊維
2.再生繊維
3.化学繊維
です。
天然繊維は自然の中から生まれる繊維、再生繊維は自然の素材に人工的な加工を加えた繊維、化学繊維は主に石油から作られるプラスティック製の繊維です。
それぞれ代表的なものは以下の通りです。
【天然繊維】ウール、麻、綿、シルク
【再生繊維】レーヨン(人絹、スフ)、キュプラ
【化学繊維】ポリエステル、アクリル
このうち再生繊維はパルプを原料としますが、いったん溶かして繊維化したものです。
つまり原料は紙と同じという事です。
そして糸は2種類に大別されます。
1つはフィラメント糸といって絹のように1本の繋がった長繊維です。
もう1つはスパン糸といって綿やウールのように短い繊維(単糸)を撚ってつなげた糸です。
レーヨンにはフィラメント糸とスパン糸の両方があります。
フィラメント糸を人絹またはビスコースレーヨンと称しシルクの模造品として開発されました。
スパン糸をスフまたはスパンレーヨンといい、主に綿の模造品として造られました。
ポリエステルにもレーヨンと同様にフィラメント糸とスパン糸があり、 前者はシルク、後者は綿や麻の模造品となります。
アクリルはスパン糸として作られウールの模造品となります。
価格は当然天然繊維が最も高価で化学繊維が最も安価です。
特にポリステルは発色性が悪いため綿やシルクのような鮮やかな光沢や風合いがでません。
さらに呼吸をしないプラスティック繊維ですので湿度の調整機能がありません。
対して天然繊維や再生繊維は雨季には湿度を緩和し乾燥期には水分を吐き出してくれるのです。
それにより喘息等の予防や改善に効果があるといわれます。
現在の日本では上に記した通りの理由でポリエステルが主流ですが、 ヨーロッパでは今でも天然繊維のカーテンが数多く造られているのです。
私自身は天然繊維を使用したカーテンを多く開発していますが、ここまで書いておいて残念ながら今のところ当店で販売しているカーテンは一部麻を数%含む商品を除きすべてポリエステル製となります。
ポリエステルはプラスティックですからもちろんすべてウォッシャブルとなるわけです。
尚、ここ10年くらいで主流化したプリーツ加工はポリエステルにしか施す事ができません。
天然繊維はその柔らかさから自然にきれいなウエーブができますがポリエステルは素材自体が硬いのでプリーツ加工をお奨めするようなりました。
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